健全な家庭に、狂気は宿る。
ギリシャの郊外にある裕福な家庭。だが、一見普通にみえるこの家には秘密があった。外の世界の汚らわしい影響から守るために、両親が子どもたちをずっと家の中だけで育ててきたのだ。 邸宅の四方に高い生垣をめぐらせ、「外の世界は恐ろしいところ」と信じ込ませるために作られた“厳格で奇妙なルール”の数々。彼らの生活は、まったく普通のものではなかったが、子どもたちは純粋培養の中すくすくと成長し、幸せで平穏な日々が続いていくかのように思われた。 しかし、ある日父親が年頃の長男のために、外の世界からクリスティーナを連れてくる。彼女の出現によって、子どもたちの心には様々な変化が起き始めるのだった…。