その男は良き夫、良き父。そして600万人を虐殺した怪物。
アドルフ・アイヒマン。第2次大戦中、「ユダヤ人問題」の専門家として収容所における大量虐殺に関与。戦後、アルゼンチンへ逃亡するが、イスラエル諜報機関によってイスラエルへ強制連行される。1960年、アイヒマンの裁判に向けた尋問のためアヴナー・レス警部が選任される。彼の任務はただ一つ。600万人にのぼるユダヤ人虐殺への関与を認めさせること。しかし、アイヒマンはユダヤ人の移送に携わっただけで虐殺の関与は否定し、罪を認めようとしない。レスの粘り強い尋問も平然と交わすアイヒマン。そしてアイヒマンへの復讐に燃える市民の圧力も高まり、取り調べは困難を極めていく。はたしてアヴナーは虐殺の証拠を見つけ出し、アイヒマンは罪を認めるのか?裁きのときは近づいてくる。