2019年11月15日(金)より新宿ピカデリーほか全国公開
イタリア・トスカーナ地方の小さな村。アモスは眼球に血液異常を持って生まれ、幼い頃から弱視に悩まされていながらも、明るく過ごしていた。しかし12歳の時に学校の授業中、サッカーボールが頭に当たり持病が悪化。少年は失明してしまう。不自由な暮らしに鬱憤を抑えきれず両親を困らせるアモス。そんな彼を見かねた叔父(エンニオ・ファンタスティキーニ)が、元来歌が上手なアモスを音楽コンクールに連れていく。そのあまりにも美しい歌声が評価され、コンクールで見事優勝する。しかし喜びも束の間、すぐに声変わりが始まり、美しい声が出なくなってしまう。それを機に歌手を諦め、親友とともに弁護士を目指す。
大人になったアモス(トビー・セバスチャン)は、大学に進んだ後、ピアニストとして音楽を嗜んでいた。バーでの生演奏をするアルバイト中、客からのリクエストで人前で歌声を披露。その歌声に感激した友人が数々の有名オペラ歌手を育てたスペイン人の歌唱指導者、マエストロ(アントニオ・バンデラス)を紹介する。マエストロとの出会いがアモスの人生を一変する。改めて歌手の道を目指すことを決意したアモスは、マエストロの徹底した厳しい特訓に臨み、実力を伸ばしていく。順調にキャリアを積んでいく矢先、気まぐれな音楽業界に振り回され仕事が途絶えたまま数か月が経ってしまう。歌の仕事がないなか、いつでも歌えるようにとそのための習慣に時間を費やされ、さらに新婚生活の狭間で揺れ動くアモスは、ある決断を迫られていた……。