心も凍る戦場で、俺たちは青春と命を燃やした
第一次シュレースヴィヒ=ホルシュタイン戦争は、デンマークの勝利によって終結、国民は色めき立ち、政治家たちは和平協定を無視してシュレースヴィヒ公国を併合しようと目論みだしていた。そんな時代の片隅に生まれ育ったペーターとラウスの兄弟は同じ女性インゲに恋に落ちたが、つかの間の平和はデンマーク首相モンラッドがビスマルク率いるプロイセンとオーストリア、強大な陸軍を擁する二国に対して宣戦布告、すなわち第二次シュレースヴィヒ=ホルシュタイン戦争の幕が開いたことで終わりを告げる。ピーターとラウスはインゲを巡る三角関係を抱えながら、志願兵としてこのヨーロッパ史に残る悲惨な戦場に足を踏み入れることになる...。