≪映画≫と≪金正日≫、驚愕の拉致事件の真実。
1978年、韓国の女優と、映画監督が北朝鮮によって拉致された。
一体なんのために――?二人が辿った数奇な運命が、今、明かされる。拉致被害者であるチェ・ウニや当時事件を調査した香港の捜査官や米国務省関係者、元CIA職員、チェ・ウニの子供たち等の膨大な量のインタビューを通じて、拉致から86年の亡命までの転末を暴き出す。
映画マニアとして知られている故・金正日総書記。平壌の中心部には「国家映画文献庫」を所蔵し、およそ2万本のフィルムやビデオテープを所有していたといわれている。本作の劇中では、“北朝鮮から国際映画祭に出せるような映画を撮りたい―”金正日が拉致に言及する肉声が公開され、大きな反響を呼んだ。悲しみに暮れるチェ・ウニとは対照的に、シン・サンオク監督は何度も逃亡を謀りながらも、金正日から与えられる潤沢な資金と、自由に撮影できる環境の下、やがて映画製作に熱中してゆくのだった。
1978年、韓国人の女優、チェ・ウニが旅行先の香港から忽然と姿を消した。不審に思った彼女の元夫で映画監督のシン・サンオクはチェ・ウニの行方を追うが、彼自身も行方不明になってしまう…。