故郷よ


監督:ミハル・ボガニム
出演:オルガ・キュリレンコ、イリヤ・イオシフォフ、アンジェイ・ヒラ、ヴャチェスラフ・スランコ

2011/仏・ウクライナ・ポーランド・独/フランス語・ロシア語・ウクライナ語/108分/ドルビーSR
提供・配給:彩プロ

2013年2月9日(土)よりシネスイッチ銀座他にて全国順次公開決定

昨年の東京国際映画祭で上映され話題を集めた『故郷よ』が、2013年、シネスイッチ銀座他全国にて公開する運びとなりました。1986年4月に起きたチェルノブイリ原発事故により、人生を狂わされてしまった人々を描いた本作品は、事故後25年経って初めて立入制限区域内で撮られたドラマ作品です。監督は、イスラエルに生まれ、フランスで育ったドキュメンタリー出身の実力派女性監督ミハル・ボガニム。主演のアーニャには当時『007慰めの報酬』に出演したばかりのオルガ・キュリレンコ。ウクライナ出身の彼女は、企画段階でこのヒロイン役を切望しましたが、「美しすぎる」という理由で起用を躊躇していた監督を自ら説得し、体当たりの演技を見せています。ヴェネチア、トロントと数々の国際映画祭に出品され、そして2012年4月フランスでも公開され、新人監督では異例の8万人を動員しました。

チェルノブイリから、わずか4キロの村プリピャチ
劇映画としては、初めて立入制限区域で撮影された
慟哭と祈りのドラマ、遂に公開!!

1986年4月26日。チェルノブイリの隣りにある村、プリピャチ。この春の美しい日に、アーニャとピョートルの若き恋人同士は、結婚式を挙げるのだった。同じ頃、少年ヴァレリーは、チェルノブイリ原子力発電所で技師として働いている父アレクセイと一緒に、河原に林檎の木を植えていた。その父子の傍らを、「森の様子がおかしい」と、森林管理人のニコライが通りかかる。その時、既に、チェルノブイリ発電所では事故が起こっていたのだ。新郎のピョートルは、消防士。原因を知らされないまま、“山火事の消火活動”に駆り出され、二度と戻らなかった。放射能は、美しかった自然をすべて変えてしまった。何も教えられずに人々は、住んでいた家から、村から追い出された。アレクセイは、当局によって「誰にも言うな」と命令され、妻と子を避難させた後、消息を絶った。10年後、廃墟となったプリピャチの町にはもう誰も住んでいない。しかし、巨大な現代のポンペイとして、このおかしな街は観光名所となっていた。結婚式の日に夫を失ったアーニャは、独り、この町のツアーガイドとして働いている。ヴァレリーは、行方府目の父を探しに、かつて住んでいたこの街に戻ってくる。そしてニコライは、あの日避難することもなく、汚染された土地を耕し続けていた。
大地は、ふたたび息を吹き返してくれるのだろうか?そして“あの日”に囚われた人々に、新しい世界は訪れるのだろうか・・・。