そこには鉤十字終焉の地。耐え抜くか、朽ち果てるか――
1945年5月9日、ナチス・ドイツ無条件降伏調印。しかし、前線の兵士たちにとって、それが戦争終結を意味しているわけではなかった!極寒のレニングラード。捕虜として、ソ連赤軍の女性兵が管理する収容所へ移送されてきたドイツ軍兵士たち。家族をナチス親衛隊に惨殺された女性兵は、敵意もむきだしに、疲弊した捕虜を虐待蹂躙する。軍医のナターシャはそんな状況に抵抗を覚えるが、上官に当たるNKVD(秘密警察)のパブロフ大佐は、捕虜の中から重罪犯をあぶり出し、次々と公開処刑に処していく。生き地獄と化したラーゲリ(強制収容所)の日々。イデオロギーに支配された赤軍側にも常に重苦しい空気がよどみ、わずかな希望を求めた男と女も、厳格な軍紀の下で無残に引き裂かれていくのだった。