裏切りの戦場 ~葬られた誓い~


監督・脚本:マチュー・カソヴィッツ
出演:マチュー・カソビッツ、フィリップ・ブファール、マリク・ジティ、シルヴィ・テステュー

2011年フランス/136分/スコープサイズ/フランス語
日本語字幕:寺尾次郎
配給:彩プロ

2012年セザール賞脚色賞ノミネート作品。フランスBOランクイン入り!!

『クリムゾン・リバー』から11年。マチュー・カソヴィッツがフランスに戻り、監督した作品が本作「REBELLION(英題)」である。ニューカレドニアで実際に起こった事件の当事者、フィリップ・ルゴルジュ(当時大尉)の手記に感銘を受けたカソヴィッツが、8年という歳月を構想と準備に費やした野心作である。国家への忠誠を疑わずに仕事一筋に生きてきた軍人が、初めて国家と権力の生み出す矛盾、国民への嘘、欺瞞などにぶつかり、自らの正義との間で苦悩する様を、監督人生の円熟期を迎えつつあるカソヴィッツが独特の表現方法で描いている。

フランス政府が隠した事件の真実を当事者の手記から描いた問題作

1988年、フランス領ニューカレドニア・ウベア諸島で、30人の警官が、独立を求めるカナック部族に誘拐されるという事件が起きる。事態を重く見たフランス政府は、すぐさま軍の精鋭300人を送り、事件を解決させようとした。フランス国家憲兵隊のリーダーであり、優秀な対テロ部隊も率いているフィリップ・ルゴルジュと反逆者のリーダー、アルフォンス・ディアノーはそこで初めて対面する。 彼らは暴動を治めるために、まず対話で平和的な解決を試みるのだが、大統領選を間近に控えた本国フランスにとって、事態が長引くことは政治への不満や不信を国民に植え付けることであり、最も避けねばならないことだった。交渉が続く中、フィリップにある指令が届く。それは、彼が信じる正義とはかけ離れた内容のもので、国家への忠誠とカナック族との間で板挟みになった彼は苦悩する・・・。